フレイルとサルコペニアの違いとは?中高年の予防と対策のすべて
最近よく耳にする「フレイル」と「サルコペニア」。
どちらも高齢期に注意が必要な体の衰えを示す言葉ですが、実は意味や対策に違いがあります。
今回は、「フレイル」と「サルコペニア」の違いをわかりやすく解説しながら、今日から始められる具体的な予防法や生活習慣について話します。
フレイルとサルコペニアとは?
近年、テレビや新聞、病院などでも耳にするようになった「フレイル」や「サルコペニア」という言葉。
どちらも高齢者の健康に深く関わる重要なキーワードですが、その違いや意味を正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
フレイルとは、健康と要介護の間の状態を指し、心身の機能が少しずつ低下していくことを意味します。
一方のサルコペニアは、加齢によって筋肉量や筋力が減ってしまうことを指します。
どちらも放置すると、転倒や寝たきりといった深刻な問題につながる可能性があるため、早めの予防と対策がとても大切です。
日本は世界でもトップクラスの高齢化社会となりつつあります。
しかし不自由な状態で長生きしても辛いだけだと思います。
自分も大変ですが介護する家族も大変です。
だからこそ、中高年のうちからフレイルとサルコペニアについて正しい知識と予防や対策を知って実践することを意識したいです。
単に病気やケガの予防だけでなく「自分らしく、元気に暮らし続ける」ことも考えていきたいです。
人生100年時代といわれる今、正しい知識を持ち、日々の生活に取り入れていくことが、健康寿命を延ばすコツになります。
フレイルとは何か
まず、フレイルとは何かを詳しく話します。
フレイルの定義と症状
フレイルとは、「虚弱」という意味を持つ英語「frailty」からきており、加齢に伴って心身の活力が衰えた状態を指します。
医療の世界では、健康と要介護の間にある段階とされており、まだ介護が必要なほどではないものの、筋力の低下や疲れやすさ、活動量の減少などが見られます。
主な症状としては、「歩くのが遅くなる」「体重が減る」「疲れやすくなる」「外出が減る」「認知機能の低下」といったものがあります。
初期段階では見逃されやすく、自覚も少ないため、周囲の人が気づくことも大切です。
生活習慣の改善や社会活動への参加によって、進行を防いだり、改善することも可能です。
フレイルの進行と日常生活への影響
フレイルが進行すると、転倒や骨折、認知症のリスクが高まり、結果として介護が必要な生活へと移行してしまう可能性が出てきます。
たとえば、以前は楽にこなせていた買い物や掃除がつらくなり、人と会う機会も減っていくことで、心の健康にも影響が出ます。
食欲が落ちてさらに体重が減少し、体力が落ちていくという負のスパイラルにもなりかねません。
しかし、早期に気づいて対応すれば、元の元気な状態に戻すことも十分可能です。
日常のちょっとした変化、たとえば「最近疲れやすくなった」「階段がつらく感じる」といったサインを見逃さず、意識的に体を動かし、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
サルコペニアとは何か
次のサルコペニアについて詳しく話します。
サルコペニアの定義と特徴
サルコペニアとは、加齢によって筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下していく状態を指します。
この言葉は、ギリシャ語で「筋肉」を意味する「sarx(サルクス)」と「喪失」を意味する「penia(ペニア)」を組み合わせて作られました。
年齢を重ねることで誰にでも起こり得る自然な現象ではありますが、運動不足や栄養不足が重なることで、進行が早まることがあります。
主な特徴としては、「握力の低下」「歩行速度の低下」「立ち上がりの困難さ」などがあり、筋肉が衰えることで転倒や骨折のリスクが高まります。
特に70代以降では、何もしないと毎年1〜2%の筋肉が減っていくと言われており、早めの対策が重要です。
筋肉減少がもたらすリスクとは
サルコペニアによる筋肉の減少は、見た目の問題だけでなく、生活そのものに大きな支障をきたすリスクを持っています。
たとえば、階段を上るのが大変になる、トイレに行くのが億劫になる、転倒して骨折しやすくなるなど、日常生活の自立性がどんどん損なわれてしまいます。
さらに怖いのは、一度筋力が落ちると、回復には時間がかかり、完全に元に戻すのが難しいという点です。
また、活動量が減ることで血流や代謝も落ち、糖尿病や高血圧といった生活習慣病のリスクも高まります。
サルコペニアは見えにくい変化ですが、その影響は非常に大きく、放置することで健康寿命が大きく縮まる可能性があるのです。
自分は大丈夫と過信しないで、常に意識的に体を動かしたいと思いました。
フレイルとサルコペニアの違い
次にフレイルとサルコペニアの違いを話します。
比較してわかる2つの違い
「フレイル」と「サルコペニア」は似たような場面で使われることが多いため、混同されがちですが、実は明確な違いがあります。
フレイルは、身体的・精神的・社会的な衰えを総合的に捉えた状態であり、筋肉だけでなく気力や人との関わり、認知機能の低下なども含まれます。
一方、サルコペニアは主に「筋肉量の減少」に焦点を当てた言葉です。
つまり、サルコペニアはフレイルの一部に含まれる“身体的衰え”の代表的な要素と言えます。
フレイルが「全体的な虚弱」、サルコペニアが「筋肉の虚弱」と考えると理解しやすいでしょう。
それぞれの違いを知ることで、より適切な予防や対策を取ることが可能になります。
関連性と誤解しやすいポイント
フレイルとサルコペニアの関係は、非常に密接です。
サルコペニアが進行すると、歩行や立ち上がりが困難になり、外出する機会が減ることで、社会的な孤立やうつ状態につながり、結果的にフレイルへと進行する可能性があります。
逆に、フレイルの兆候が現れた人が、運動や栄養改善に取り組むことでサルコペニアの予防にもつながるケースもあります。
つまり、どちらか一方をケアするだけでなく、両方を意識した生活改善が必要なのです。
また、「年を取れば仕方ない」とあきらめがちです。
しかし適切な知識と行動で、フレイルもサルコペニアも予防・改善ができるということは、ぜひ多くの人に知っていただきたい大切なポイントです。
あきらめないで、知識を得て今できる予防と対策をとっていきたいですね。
予防と対策:今日からできること
では、フレイルやサルコペニアの予防や対策について話します。
適度な運動がカギ!おすすめの筋トレ・有酸素運動
フレイルやサルコペニアを防ぐために、もっとも重要な習慣のひとつが「運動」です。
特に中高年からは、筋肉を意識的に使うことが必要になります。
おすすめなのは、自宅でできる簡単な筋トレと、日々のウォーキングです。
たとえば「スクワット」は、足腰の筋肉を強くし、転倒予防にも効果的。
また、軽いダンベルを使った腕の運動や、椅子に座ったままできる体操も高齢者に向いています。
有酸素運動であるウォーキングは、心肺機能を高め、気分もリフレッシュできるので一石二鳥。
ポイントは、無理せず続けること。
最初は5分、10分からでも十分です。
毎日の生活に取り入れて、「動く習慣」を身につけましょう。
私もできるだけ、歩くように心がけています。
食事でしっかり予防!タンパク質と栄養の摂り方
食事は、身体を作る基本です。
特にフレイルやサルコペニアの予防には、「タンパク質」をしっかりとることがとても大切です。
肉、魚、卵、大豆製品などを毎食に取り入れるようにしましょう。
朝食を抜く人も多いですが、1日の始まりにしっかりと栄養を取ることで、エネルギーが出て活動量も増えます。
私も、朝から卵と納豆の日と豆腐と鰹節の日と、交互にタンパク質を摂る習慣にしています。
お昼には、肉や魚、卵を摂ることも意識しています。
さらに、ビタミンDやカルシウムも骨と筋肉の健康には欠かせません。
日光を浴びながら散歩するのも、ビタミンDの生成に役立ちます。
高齢者は食欲が落ちがちですが、「食べやすい工夫」や「好きなメニュー」を取り入れて、楽しみながら栄養を補うことが大切です。
最近では、手軽に栄養を取れる高齢者向けのプロテイン食品やサプリも充実しているので、上手に活用するのもおすすめです。
例えば認知症予防にも繋がるオールインワンサプリのrimenbaが人気です。
→知力健康オールインワンサプリメントrimenbaのメリットとデメリット対策
社会的つながりが予防になる理由
身体や栄養だけでなく、「人とのつながり」もフレイル予防には欠かせない要素です。
誰かと会話をしたり、一緒に食事をしたり、趣味の仲間と出かけたりすることは、心の健康を保ち、活動的な毎日を支えてくれます。
孤立や孤独感は、心の元気を奪い、結果として身体の衰えにもつながってしまいます。
たとえば、地域のサークルに参加したり、近所の友達と散歩をしたり、ボランティア活動を始めたりするのも良い方法です。
「誰かに会う予定があるから外出する」「話す機会があるから元気でいよう」といった、ささいな動機づけが健康を大きく支えてくれるのです。
デジタルが苦手な方も多いですが、最近は高齢者向けの使いやすいスマホやSNSも登場しており、オンラインでの交流もおすすめです。
私は、SNSのXを毎日(日曜日以外)楽しんでいます。
オンラインでも良いので趣味が合う仲間を作ると、やる気も出て楽しくなります。
まとめ:「フレイル」と「サルコペニア」の違いとは?中高年の予防と対策のすべて
フレイルやサルコペニアは、決して特別な病気ではありません。
誰にでも起こりうる自然な変化ですが、早めに気づき、日常生活に少し工夫を加えるだけで、その進行を止めることができます。
「年だから仕方ない」とあきらめるのではなく、「今の自分にできること」を一つでも始めることが、元気で豊かな老後への第一歩です。
運動、食事、人とのつながり――どれもすぐに取り組めるものばかりです。
少しの意識が、将来の自分を大きく変えてくれます。
予防や対策は、決して一人で頑張るものではありません。
家族や友人と一緒に取り組むことで、継続しやすくなり、楽しさも倍になります。
たとえば、一緒に散歩する、一緒に食事を作る、同じ体操をするなど、小さなことから始めてみましょう。
また、周囲の人がフレイルやサルコペニアのサインに気づいてあげることも重要です。
「最近元気がないな」と思ったら、さりげなく声をかけてあげるだけでも十分な支えになります。
お互いに支え合いながら、元気な毎日を送りたいですね。
私も夫と一緒に散歩したり、楽しい計画を立てたり、運動したりするように意識しています。
今は人生100年時代と言われています。
残りの人生、まだまだ続きます。
だからこそ自分の足で歩いて頭もクリアで、健康に楽しく長生きしたいなと思います。